ESP8266でBトレ(第8回 ハードウェア編その8 プリント基板の作成 後編)

番外編からつづきます

お祈りしてから基板に通電したところ無事ALIVEランプが点灯しました。I2CとワンショットマルチまではOKのようです。 数秒後にルーターのランプが点滅しはじめ、パケットが流れ出したことが確認できました。USBシリアルもOKです。WiFi経由でコマンドを送り、シリアルのバス切り替えも動作確認できました。 機能的には今までのおさらいなのでどうということはありませんが、自分でパターンを引いた基板が動作するのを見たらちょっと感激しました。おじさんの歴史の中では、中学校の授業で作ったお風呂ブザーが動いて以来の快挙です。

つづいて動力基板も組み立ててみました。

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たくさん見える8ピンのICソケットはモータードライバ用です。下がフィーダー用の6個で、右上はポイントマシン用の4個です。ポイントマシン用はあと2個分、電源ラインのみ配線してあります(右上の4個の下)。ユニバーサル基板状の部分に信号点灯用のIOエクスパンダでも配置しようかなと思ってI2CのラインとALIVE信号を上の基板から引いてきています。

合体っ

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追加で取り寄せた長いピンヘッダで2枚の基板を連結します。基板の固定も兼ねるため、主なものは上下左右に振り分けましたが、あとからあちこちに信号線を追加したため、慎重に差し込む必要があります。 動力基板のうえにロジック基板を重ねるようにしました。DCジャックが両方の基板にありますが、ジャンパピンの選択により、ロジック基板側は、動力基板からの給電でも動きます、ただし、12V給電の場合は降圧コンバータを使う必要がありそうです。今回は6V給電の予定なのでシリースレギュレータで降圧しています。

動作テストのようすはこちら

youtu.be

というわけで、ひとまず成功ししました。 ポイントマシンもとりあえず動いてます(なぜ「とりあえず」なのかは後に) 位相同期はまだ調整が必要なので今回は未チェックです。

今回の反省点

  1. 自作部品の穴のサイズが小さかった。これはコンポーネントを自作した際に元にした部品のビアが小さかった(標準サイズだった)ためのようです。

  2. 部品同士の間隔がぎりぎりだった。これはCADソフトでコンポーネントをデザインするときに、部品が占有する領域を設定しなかったためにチェック漏れしたためでした。

  3. 上下の基板を連結するピンが多すぎた、また一か所のピン数が少ないところは、機械的強度が保てない。ピンは機能の基板への割り振り方を工夫すれば減らせるかもしれません。また、総ピン数が同じでも、なるべく少ない個所にまとめ、一か所あたりのピン数を多くなるようにすべきですね。

  4. 動力用の電源ラインが細め。最大1Aだと思って線を引いてしまいましたが、1Aのドライバが6個あるので、供給側に余裕があれば最大6Aまで流れることが考えられます。そこまでは考慮しなくてもいいとは思いますがそれにしても電源ラインが細めでした。

今回みつかった問題点と対策

  1. 6V単一電源にしたらポイント用の電圧が不足する

    Bトレ(カトーの現行の動力ユニット)は6Vで十分な速度が出るため、6V給電で考えていました。12V給電だと低Duty域を主に使うことになるので、位相同期が必要なケースが多くなりますが、位相同期は同時に2ch以上はおこなえないので、使用頻度を上げたくないという理由もあります。また、 ロジック部は3.3Vなので、12Vからの降圧する場合はシリースレギュレータではなくDCコンバータを使いたくなりますがちょっともったいないです。というわけで、6Vレギュレータをつないだところ、なんと、ポイントマシンが動かないじゃないですか!ポイントマシンに12Vが必要なことをすっかり忘れてました。

    ゾーンコントローラごとにACアダプタが2個必要というのも気が利かないので、ポイントマシン用の12V電源は昇圧コンバータを使って生成するとにしました(ダイオードの型番が古いのは気にしないでください)。下のような回路を空きスペースに組み込むことにします(なので信号はおあずけです)。 f:id:cacao1:20160228233300j:plain

    入力電圧は6~12V位の範囲で変わるので、ダイオード(1S1588)で基準電圧を作って、コンデンサの端子電圧と比較してNE555の発振をOn/Off制御しています。コンパレータにヒステリシスを持たせて間欠動作するようにしました。上の回路の定数で動かしてみたところ、約16VでOff、その後時間とともに電圧が低下して約12VでOnになります。電車のコンプレッサーみたいでしょ。

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昇圧回路(右)と次の説明のポイントマシンドライバです
  1. ポイント切替はBD6231Fではムリ!(だけど...)

    BD6231Fは絶対定格が1Aですが、12V給電でポイントを切り替えるときの電流をオシロで確認したら瞬間的に2A弱流れています(ポイントマシンに直列に0.47オームをいれてその両端の電圧を図りました(下の写真)。1マスが500mVなので約1Aです)。

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今回の企みを始めたころ、ブレッドボードにちょこちょこっと組んで動かしてみただけで進めてしまいましたが、ちゃんと確認しないといけませんね。しょうがないので、バラのFETでHブリッジを組んでみました。

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容量は余裕ですがサイズ的に収まりません。BD6231F用のDIPソケットにピン互換で一つ作ってみましたが、4ピンソケットなのに7ピン分の長さを使います。また、制御部がないのでFとRをH-Hにしたら電源を短絡します(たぶんボードごと落ちます)。

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時間ができたら表面実装の練習を兼ねて、もう少し小さいパーツで基板を作ろうかとも思いますが(そんな時間があったらいっそ全体をCPLD化したいですが)、売り物ではないので当面はBD6231Fに頑張ってもらうことにします。 そろそろソフトに行きたいですね...

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ペースが遅いにゃ